離婚事由のない夫側からの離婚の請求を交渉によって協議離婚成立に導いた事例
依頼者:夫40代
相手方:妻40代
離婚に至る原因:性格の不一致・その他
争点:①離婚,②財産分与,③慰謝料
ご依頼の経緯・ご要望
依頼者は会社経営者で,相手方は依頼者の妻であり,同社の従業員でもありました。
依頼者と相手方との関係は,長女出産後から徐々に悪くなり,やがて完全に冷え切ってしまい,触れ合いも一切なくなり依頼者は家族としての実感を全く得られなくなりました。
依頼者は相手方との夫婦関係を続けることが耐えられなくなり,離婚を強く望んでいました。
解決のポイント
本件は,依頼者が家を出る形で別居状態を始めて約半年後に依頼者から離婚調停を申し立てましたが,相手方は頑として離婚に応じず,明確な離婚事由がなかったため不調で調停は終了しました。
相手方の離婚を拒否する主な理由は,①離婚すれば今の住まいを失ってしまうこと,②離婚後,仕事を辞めなければならなくなり,収入がなくなって生活できなくなること,の2つでした。
そこで,相手方の生活保障に配慮しながら,相手方と粘り強く交渉を続けることで相手方を説得することができ,調停の不調から約1年半後に離婚協議書作成に至ることができました。
明確な離婚事由のない事案であっても,あきらめずに粘り強い交渉を続けることによって双方の妥協点を見い出し,依頼者の納得のいく内容で離婚成立をみることができるという一例です。