モラハラチェックリスト
目次
はじめに
モラルハラスメント(モラハラ)の一つの特徴として、被害者の方が「モラハラの被害を受けている。」という認識をもつことができないまま徐々に心身を害されてしまうということが指摘されてきました。
モラハラのチェックリスト等を活用するなどして、被害を受けているとの自覚に至ることが、モラハラ被害を脱する第一歩になるかもしれません。
チェックリスト
(1)配偶者を軽んずる言動
・「お前はアホだから分からない。」、「こんなことも分からないのか。」等の発言をする。
・(配偶者の家事や仕事について)「大したことはしていない。」、「俺(私)は頑張っているのに、お前は何もやっていない。」、「何がそんなにしんどいのか。」などと発言する。
・配偶者が体調不良でも、家事等の不相当な負担を求める。
・家事等について殊更に配偶者のミスを強調したり、粗探しをしたりする。
・「何故俺(私)がお前の生活費を出さなければならないのか。」などと発言する。
(2)人格攻撃
・「お前は精神病や。」、「頭おかしい。」、「クズ。」、「死んだ方がよい。」などと発言する。
(3)支配的言動
・「誰のおかげで生活できていると思っているのか。」、「俺(私)がいないと生きていけないと分かっているのか。」、「俺(私)あっての生活なのに。」、「(生活費等を払うかどうかは)お前の態度次第だ。」などと発言する。
・配偶者の日常生活や交友関係等を細かく監視・制限しようとする。
・(家族の問題について)「俺(私)が決めたことだ。口出しするな。」、「お前は黙っていろ。」などと発言する。配偶者の意見を一顧だにしない。
(4)脅迫的言動
・「いつでも離婚してやるぞ。」、「出ていけ。」などと発言する。
・「(思い通りにならなければ)死んでやる。」などと発言する。
(5)嫌がらせ
・あえて配偶者を無視する。
・配偶者の用意した料理を殊更に無視して別のものを食べる。
・配偶者のための必要な生活費を払わない。
・配偶者に対して舌打ちやため息を繰り返す。
(6)責任転嫁
・明らかに非のある行動をとっていながら、「俺(私)は悪くない。」、「お前のせいだ。」などと言い張る。
モラハラ被害を脱するために
(1)モラハラ加害者の更生?
モラハラは、日常的に繰り返されることで被害者の心身に深刻なダメージを与えうる一方で、加害者がモラハラを克服する(態度を改めてモラハラを行わないようになる)ことは極めて難しいといわれています。
もちろん、専門家の協力を得るなどして加害者がモラハラを克服できるケースが全くないわけではないにせよ、そもそも加害者において自身の言動がモラハラに該当することを自覚するに至ること自体が稀であり、また、モラハラが加害者の生育環境等に起因する根深いものであるケースも少なくないため、残念ながら、加害者の改善を期待しても、奏功しない場合が多いといえます。
(2)モラハラ加害者との別居
この点、モラハラ被害を脱するために被害者側が採りうる手段として、加害者との(離婚を見据えた)別居が考えられます。
別居により、加害者と距離を置くことで、心身の安全を図りつつ、加害者からの影響を受けない冷静な状態で生活を立て直すことができます。また、法律上、配偶者のモラハラのみを理由として離婚することは(配偶者の同意がない限り)難しい場合が多いものの、モラハラを理由として配偶者と(相当期間)別居している場合には、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。」(民法770条1項5号)に該当するものとして、離婚が認められる可能性が高まります。
このように、モラハラ加害者との別居は、被害者が安全圏に逃れて生活を立て直す上で有効であるだけでなく、法律上の離婚事由が認められる状態を作り出す観点からも重要な意味を持っています。
モラハラ夫のチェックリスト
□ 出された食事が気に入らないとそれを食べずに別の物を食べる
□「こんなことも分からないのか」といった発言をする
□ どんなに体調を崩していても「妻なんだから家事はすべき」という態度を取る
□「俺がこうしたのはお前のせいだ」となんでも人のせいにしてくる
□ 家の中がきちんと片付いていないと「一体毎日何をしているのか」等の嫌味を言う
□ 妻の前でため息や舌打ちをする
□「誰のお陰で生活できていると思っているんだ」と言う
□ 自分の買い物には甘いのに、妻の買い物には厳しく目を光らせる
□ 休みのたびに家族で自分の実家に帰ろうとするが、妻の実家には寄りつかない
□ 生活費を入れない
モラハラ被害者チェックリスト
□ 長期間、無視されたことがある
□「夫の言うことは絶対」と自分に言い聞かせ、たとえ間違っていると思っても指摘できない
□「夫が帰ってくる」と思ったら、恐怖心から心臓がドキドキする
□ 夫の不機嫌な態度が怖くて、怒らせないように常に気を遣っている
□ セックスを自分から断ることができない
□ 常に夫を怒らせないように、機嫌を損なわないようにと考え、子どもの行動まで制限してしまう
□ 生活費が足りなくなると、自分の貯金を取り崩す事がある
□ 新しい服を買うことに躊躇する
□ どんな酷い仕打ちをされても「自分が我慢すればいいのかな」と思っている
□ 結婚してから、自分の友人に会ったり、趣味を楽しんだりすることがなくなった
上記のうちひとつでも要件を満たした場合には、モラハラを受けている可能性があります。
モラルハラスメントの被害者は、「私が間違っている」、「私が悪い」と思って我慢しているケースが圧倒的に多いのです。しかし、決してそんなことはありません。まずは自分が被害者だということに気付き、相談をすることが大切です。一人で悩まず、まずは当事務所までご相談下さい。
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