カサンドラ症候群とは

1 はじめに

皆様は、カサンドラ症候群という言葉をご存じでしょうか。
カサンドラ症候群は、身近な者とのコミュニケーション等が原因で生じ、改善は難しい上に、他者からの理解が得られにくいことから、カサンドラ症候群の方の悩みや苦しみは計り知れません。
本稿では、カサンドラ症候群の状態や原因、カサンドラ症候群となった方と配偶者との別居や離婚についてお話しします。

2 カサンドラ症候群とは

カサンドラ症候群とは、配偶者やパートナーがASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)やその傾向を持っていることから、配偶者やパートナーとコミュニケーションをとることが難しく、これが原因となって、不安や抑うつ状態等、心身の不調をきたした状態のことをいいます。
精神的な面に現れる具体的な不調の内容としては、不安障害、抑うつ状態、パニック発作、PTSD、情緒不安定、自己評価の低下等が挙げられます。また、身体的な面に現れる具体的な不調の内容としては、不眠症、体重の増減、倦怠感、片頭痛、めまい等が挙げられます。

3 カサンドラ症候群の原因等

ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)とは、発達障害のひとつであり、社会性、コミュニケーション能力、共感性等について持続的な欠陥があることをいいます。つまり、ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)の人は、他者の気持ちを理解したり、場の空気を読んだりすることが苦手で、他者と上手くコミュニケーションをとることができず、かつ、自身がそのような状態にあることについて自覚がありません。
そのため、ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)の人を配偶者やパートナーに持つと、日々の生活の中で悩んだり困ったりしたことについて話し合いをすることができない、パートナーであるにもかかわらず大切な価値観を共有できない、といったような情緒的交流の乏しさが悩みとなります。
また、ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)の人は、社会性や共感性の低さから、自身の配偶者やパートナーに対して、いわゆるモラルハラスメント(モラハラ)に該当しうるような理不尽な言動を無自覚に行ってしまうこともしばしばあり、このような言動が、自身の配偶者やパートナーを精神的に追い詰めてしまっていることも少なくありません。
さらに、このような悩みは他者から理解が得られにくいことから、ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)の人を配偶者やパートナーに持つ者自身も、配偶者やパートナーとコミュニケーションが上手く取れていないと感じても、外部へ発散できずに我慢を続けてしまった結果、自らの心身に異常をきたすケースが少なくありません。真面目で、忍耐強い人ほど、カサンドラ症候群の状態に陥りやすい傾向にあるといえるでしょう。

4 カサンドラ症候群の方の離婚

カサンドラ症候群の方は、休養や薬物療法といった対処療法を行うことが考えられますが、それだけでは抜本的解決にはなりません。心身の不調が続き、配偶者やパートナーと生活を続けることに限界を感じて、別居等により距離を置くことが望ましい場合も少なくないでしょう。場合によっては、今後配偶者やパートナーと共に生活することが考えられなくなり、離婚を検討することもありうるでしょう。
しかし、これまで述べてきたように、ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)やその傾向を持っている者とは、コミュニケーションをとることが難しいため、いざ別居や離婚を検討しても、配偶者やパートナーと上手く話し合いができず、先に進むことができない場合も多いでしょう。配偶者やパートナー自身は、自分の問題に自覚がないことから、突然別居や離婚を切り出されてもその理由が理解できず、激怒して話し合いにならないようなことも考えられます。
そうすると、別居や離婚へ進むことが困難となるばかりでなく、カサンドラ症候群の方自身の心身の不調も悪化してしまうおそれがあります。
そのような事態を避けるためにも、カサンドラ症候群の方が別居や離婚を検討する場合には、専門家である弁護士に相談することが望ましいといえるでしょう。
弁護士が間に入ることによってカサンドラ症候群の方の心身の負担が少なくなるだけでなく、ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)やその傾向を持っている配偶者やパートナーに対しても、丁寧かつ適切な対応をとって協議や交渉を行うことが可能となります。

5 まとめ

カサンドラ症候群の方が、ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)やその傾向を持っている配偶者やパートナーとの人間関係の継続に困難を感じ、離婚を検討する際には、これまで述べてきたような解決の困難性に鑑みれば、自身の心身への負担の軽減や早期解決のためには、早期に専門家である弁護士に相談することが重要です。
弊所では、離婚に関するご相談、ご依頼を多数お請けしており、ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)やその傾向を持っている配偶者、パートナーからのモラルハラスメント(モラハラ)、そのような者との間の離婚に関するご相談、ご依頼についても、多くの解決実績があります。
お一人で悩まずに、まずは、お気軽にご相談ください。

 

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