うつ病の配偶者と離婚できるか
配偶者がうつ病になったときは
「うつ病の配偶者と離婚をしたい」というご相談をよくお受けします。
最初のうちは、配偶者のうつが治るように寄り添おうと努力しようとされる方が多数です。
しかし、配偶者がうつ病になった後、いつまでたっても働く様子が見られなかったり、突然自宅で暴れ出したり、お金を浪費したり、暴言を吐いたり、長文のメールで罵倒をしたり、中には不貞行為をするなどの行動が見られるようになるケースも珍しくありません。
このような状況となり、これ以上配偶者に寄り添うことができなくなって、離婚を検討するようになるようです。
配偶者のうつ病を理由に離婚することができるか
うつ病の配偶者と離婚をしたいと考えた場合、夫婦が合意していればもちろん離婚できますが、相手が離婚を拒否している場合、うつ病という理由だけでは、一般的には裁判所は離婚を認めてくれないことが多いと思われます。
このため、うつ病以外の離婚原因を主張して「婚姻を継続し難い重大な事由がある」(民法770条1項5号)ことを理由に、裁判所に離婚を認めてもらうことを目指すことになります。
具体的には、長期間の別居(5年前後など)、暴力、暴言や侮辱、不貞行為、多額の浪費などの事情を併せて主張することになります。
このような事情がない場合は、まずは配偶者と別居を行い、別居を相当期間続けることで離婚を目指すことになります。この場合、別居していても婚姻関係があるので、配偶者に対する扶養義務(民法752条)があり、相手に生活費を支払わなければならない場合があります。
うつ病になったのは結婚生活のせいだと言われた場合
中には「結婚生活が原因でうつ病になった」などと配偶者から責められるケースもあるようです。
しかしながら、強度のDVやモラハラなどがあったケースを除き、結婚生活のみが原因でうつ病になったということは考えにくいかもしれません。うつ病の原因としては、仕事のストレス、職場のストレスなども非常に多いですし、結婚前からうつ症状があったという場合もあります。
このため、配偶者がうつ病になった場合、いつ頃からうつ症状を発症したのか、いつから通院しているのか、現在服用している薬があるか、いつから薬を服用しているのか等を明らかにする必要があります。
うつ病の配偶者との婚姻生活はしんどい
相手が病気だから些細なことは我慢しようと思っても、うつ病の配偶者と生活するのは現実的にしんどいことが多いようです。経済的にも、精神的にも、うつ病の相手を一人で支えていかなければならない責任も非常に重いものです。
あまりに大変な場合は、自分がうつ病になる前に、うつ病の配偶者との別居・離婚を検討する方が良いかもしれません。
うつ病の配偶者との離婚でお悩みの方は、是非一度、法律事務所瀬合パートナーズにご相談ください。