離婚問題を弁護士に相談すべき理由 ‐良い弁護士を選ぶためのポイント‐
離婚問題は、相手との関係が比較的良好であれば、当事者間の話し合いで解決できるケースもあります。しかしながら、これまでにお受けしてきた相談・依頼の経験を踏まえますと、なるべく早い段階で弁護士に相談をし、弁護士からのアドバイスをも受けながら協議・調停に臨むことをおすすめいたします。
目次
離婚問題を弁護士に相談することのメリット
適正な離婚条件で離婚を成立させることができる
離婚問題を解決するには、離婚条件について、当事者で調整をする必要があります。例えば、子どもがいる夫婦においては、①離婚後の親権者をどちらにするのか、②養育費をいくらにするか、③面会交流をどのようにして行っていくか,というような問題があります。また、金銭的な問題として、④夫婦の共有財産をどのように分けるのか、⑤精神的な苦痛に対して慰謝料が発生するのか、⑥離婚成立までの生活費(婚姻費用)はどちらがどのようにして負担するか、⑦年金分割を行うか、など,決めなくてはならない事柄が多くあります。
これらについて正しい知識がなければ、例えば、相手の言うままに金銭的に不利な条件で離婚に応じてしまって、離婚後に後悔してしまう事態となるかもしれません。弁護士に相談をしていただくことで、どのような離婚条件が適切であるかということを知ることができ、相手と適切な条件交渉をすることが可能になります。離婚の際に決めた条件については、後で変更することが困難ですので、大きな損をすることのないよう、予め弁護士の助言を求めておくことが重要です。
離婚に関するすべての交渉・手続きに対応することができる
忙しい方や、ご自身で対応することが難しい方の場合、弁護士に依頼すれば、離婚問題に関するすべての交渉・手続きを弁護士に任せることができます。例えば、離婚協議書を作成するだけだからと言って司法書士に依頼しても、その後、相手との話し合いがこじれてしまった場合には離婚調停や訴訟手続を行わなければなりませんが、それらの手続を代理して行えるのは弁護士だけなので、改めて弁護士に手続を依頼しなければなりません。
また、離婚時に決まった条件(養育費の支払いや面会交流の実現など)がきちんと履行されない場合でも、弁護士に依頼をいただければ、強制執行を行うことも可能です。
このように、離婚協議開始から離婚後のトラブルまでの総合的な問題解決を行うためにも、弁護士に相談されることは非常に有効です。司法書士や行政書士の方が、費用が安いというイメージがあるかもしれませんが、弁護士に依頼する場合とさほど費用が変わらないこともありますし、トラブルとなった後に対応しきれなくなり、改めて弁護士に依頼しなければならなくなれば、結局費用がかさんでしまいます。このため最初から弁護士に依頼するということは十分にメリットがあります。
第三者が入ることでスムーズに解決できることが多い
離婚の話し合いは互いの感情がぶつかり合う場面でもあるため、当事者間で解決をすることが難しいケースも多いです。相手と冷静に話ができないということが原因で、離婚協議が膠着してしまうこともしばしばあります。
そのような場合に、第三者を介入させることで離婚条件について冷静に話し合いをすることができ、双方が合意できる妥協点を見つけることも可能となります。例えば、妻に対して高圧的な態度で接してくる夫でも、弁護士を間に入れることで態度が軟化し、話し合いに応じてくることも多くみられます。
当事者間での話し合いができない、切り出すことすら躊躇されるという場合には、まずは一度、弁護士に相談されることをおすすめします。
良い弁護士を選ぶためのポイント
離婚問題を扱う弁護士は多くいますが、弁護士によって得意・不得意分野があり、どの弁護士に依頼するかが結果に大きく影響を及ぼすことがあります。良い弁護士を選ぶためのポイントとして、以下の点を確認すると良いでしょう。
相談者の話を親身に聞き、不安を解消してくれるか
まず、弁護士と良好なコミュニケーションが取れるかという点が大きなポイントとなります。離婚は多くの方にとって初めての経験であり、非常にプライベート性の高い問題です。そのような時、弁護士が親身に話しを聞き、自分の話をきちんと理解してくれ、自分が不安に思っていることを適切に回答してくれるかということが重要となります。
また、女性弁護士の方が話しやすいという方もいらっしゃいますので、そのような方は、女性弁護士に依頼することも検討した方が良いかもしれません。
中には、法律的に必要となる情報しか聞き取りをせず、相談者の気持ちを理解しようとしない弁護士もいらっしゃるような話も聞きます。しかしながら、依頼者との良好なコミュニケーションがなければ、良い解決は難しくなりますので、良好なコミュニケーションを取れる弁護士を探すということが重要です。
問題解決のための明確な指針を示してくれるか
また、弁護士がきちんと解決に向けての道筋、指針を示してくれるかどうかという点も非常に重要です。じっくりと話を聞いてくれるかということも重要ですが、弁護士の場合、それだけでは不十分です。法律の専門家の立場から、このような解決方法を取った方が良いなど具体的な解決の道筋や指針を示してくれるかという点をよく確認しておきましょう。
特に、離婚問題においては、法律論では解決できない問題も多くあるので、それらに対して、様々な対応策を提案してくれたり、柔軟に答えを探してくれる弁護士が望ましいでしょう。
経験豊富な事務所・弁護士であるか
医者に専門科目があるように、弁護士にも重点的に取り扱っている業務領域があります。離婚についても、年間数百件一人で相談を受けている弁護士もいれば、年に数件程度の弁護士もいて、ノウハウにも差があります。離婚事件を重点的に取り扱っている弁護士に依頼すれば、スムーズかつ良い結果が得られる可能性が高くなるかもしれません。
経験豊富な事務所・弁護士を探すには、ホームページの内容がどれだけ充実しているか(解決事例が豊富、法律的な説明以外も書かれているなど)ということでも見分けられますし、実際に相談してみて解決実績を聞いてみて判断することもできるかもしれません。
良い弁護士に出会うためにも、実際に何か所かの法律事務所に言って法律相談を受けてみるのが良いかもしれません。そのうえで、親身に対応してくれそうか、解決のための具体策を示してくれるか、担当弁護士との相性が良いかなどを複合的に判断し、この人だと思う弁護士に依頼されるのが良いでしょう。
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