自己認識が低いDVの種類と対策
1 はじめに
離婚に至るまでには様々な原因があると思いますが、その中で最近にわかに問題になっているのが、相手の自己認識の低いDV、つまり、自分ではほとんど認識・意識していないで相手を傷つけているDVです。
2 自己認識の低い「暴力」
内閣府男女共同参画局が平成29年度に全国20歳以上の男女を対象に実施した「男女間における暴力に関する調査」によると、15 項目の行為をあげて、それが夫婦間で行われた場合に「暴力」にあたると思うかの意識を聞いた質問に対して、肉体的な暴力についてはほとんどの人が「どんな場合でも暴力にあたると思う」と回答しています。
しかし、「大声でどなる」「他の異性との会話を許さない」「交友関係や行き先、電話・メールなどを細かく監視する」「何を言っても長期間無視し続ける」などの行為については、半数近くの人が「暴力に当たる場合も、そうでない場合もあると思う」「暴力にあたるとは思わない」と回答しています。
性別にみると、「大声でどなる」や 「交友関係や行き先、電話・メールなどを細かく監視する」「家計に必要な生活費を渡さない」など、心理的・経済的な行為については、女性のほうが「どんな場合でも暴力にあたると思う」の割合が多くなる傾向がみられます。
以上の調査を踏まえると、心理的・経済的な行為については、それが「暴力」だという認識があまりない人が多いといえます。
3 対策
やはり誰かに相談することにつきます。
上記の調査によると、「暴力」を受けたと認識している人でも、それについて誰かに相談した人は女性で57.6%、男性で26.9%にとどまります。相談をしなかった人はその理由として「相談するほどのことではないと思ったから」「自分にも悪いところがあると思ったから」を挙げています。
相手方に「暴力」をしているとの認識がない場合、または相手から「暴力」を受けているとの認識があまりない場合、なおさら「相談するほどのことではない」と思い、誰かに相談するのをためらうかもしれません。
しかし、何か配偶者の行為に「違和感」を感じたらまずは周りの人に話を聞いてもらいましょう。特に相手方にDVの認識がない場合は、両親や周りの友人に助けを求め、その行為はDVであると相手に認識してもらうことが重要です。
一人で抱え込まないでまずは周りの人に話してみてください。
また、DVが原因で離婚になるケースも多いです。どうしても生活を続けるのが難しい場合、この分野に詳しい弁護士にも相談しましょう。この分野に詳しい弁護士であれば様々な案件を経験しており、適切なアドバイスをすることができると思われます。