過去の貸付金相当額の解決金と自宅不動産,預金のほぼ全額の分与を受けた離婚調停の例
依頼者:妻/40代
相手方:夫/50代
事案の経緯
結婚直後から夫に再三に渡って金銭トラブルがあり,妻から夫に対して,妻の特有財産の貸付が行われていました。また,夫には不貞行為の疑いもありました。
妻である依頼者から,夫に対する離婚調停,慰謝料請求及び貸付金の返済請求等のご依頼を頂きました。
争点
① 慰謝料請求の可否及びその金額
② 過去に夫に貸し付けたお金の清算
③ ほとんどが妻名義となっている共有財産の財産分与につき,その内容
解決のポイント
本件事案では,自宅不動産を含む夫婦の共有財産のほとんどが妻名義となっていました。そのため,通常であれば妻が夫に財産分与を行うこととなります。
しかし,本件事案では,夫が結婚直後から繰り返し金銭トラブルを抱えていたこと及び,夫の不貞行為の疑いがあったことから,弁護士から夫に対して慰謝料請求を行ったところ,妻名義の共有財産の財産分与は行わず,夫名義の預金はほぼ全額を妻が取得することで合意しました。
また,妻から夫に対する貸金返還請求についても離婚調停の中で話し合いを進め,最終的には,夫が妻に対して貸付額に少し上乗せした金額を解決金として分割払いすることの合意が成立し,調停離婚が成立しました。