熟年離婚の慰謝料|相場と計算方法、請求できるケースを弁護士が解説
離婚は人生の中でも特に精神的・経済的に大きな転機となる出来事です。特に長年連れ添った熟年離婚では、財産分与や慰謝料、年金分割など多くの問題が絡み合います。この記事では、神戸・姫路に拠点を構える弁護士事務所瀬合パートナーズが、熟年離婚における慰謝料の基礎知識から請求のポイント、相場や計算方法、さらには請求できるケースや弁護士に相談するメリットまで、わかりやすく解説します。
目次
1.熟年離婚における慰謝料とは?
⑴ 慰謝料と「財産分与」の決定的な違い
慰謝料と財産分与は、離婚時に話題となるお金の問題ですが、その性質は大きく異なります。慰謝料は、婚姻期間中の「精神的損害」に対する賠償金であり、離婚原因となった不法行為に対する慰謝料として支払いを求めます。
例えば配偶者が浮気(不貞行為)をしたり、暴力を振るったりした場合、その配偶者に対して慰謝料請求が可能です。一方で、財産分与は、結婚生活で築いた夫婦共有の財産を公平に分けるためのものであり、精神的な損害や責任の有無とは関係ありません。
したがって、「慰謝料請求」は必ずしも離婚に伴うものではなく、不法行為が認められた場合に限定されるのに対し、「財産分与」は離婚する以上は必ず話し合いが必要なものと考えてください。
⑵ 離婚で慰謝料が請求できる原因(不貞行為・DVなど)
慰謝料を請求できる代表的な原因は以下の通りです。
・不貞行為(浮気・不倫)
配偶者が他の異性と肉体関係を持つことは法律上の不法行為とされ、精神的な苦痛に対して慰謝料請求が認められます。
・DV(配偶者からの暴力)
身体的な暴力だけでなく、精神的虐待も該当します。被害を受けた場合は警察や医療機関の証明を取ることが重要です。
これらはすべて配偶者の不法行為として認められ、慰謝料の対象になります。
⑶ 性格の不一致だけでは請求できない?
熟年離婚でよくある事情として「性格の不一致」や「価値観の違い」が挙げられますが、これらは慰謝料請求の正当な理由にはなりません。たとえ夫婦仲が悪化しても、単なる性格の不一致だけでは「精神的損害を与えた不法行為」とはみなされないため、慰謝料を請求する根拠にはなりません。
ただし、性格の不一致が結婚生活の崩壊にまで至る過程で、DVや不貞といった違法行為が伴う場合は慰謝料請求が認められることがあります。
2.熟年離婚の慰謝料の相場と計算方法
⑴ 慰謝料の金額を決める3つの要因(原因・婚姻期間・相手の資力)
慰謝料の具体的な金額は法律上決まっているわけではなく、以下の3つの要素を総合的に勘案して決まります。
・離婚原因の重さ(不法行為の内容)
例えば単なる言葉の暴力よりも、肉体的な暴力や不貞行為の方が慰謝料額は高くなる傾向があります。言葉の暴力だけの場合には、証拠の確保が難しく、不法行為自体が認められない場合もあります。
・婚姻期間の長さ
婚姻期間が長い場合、一緒に過ごした時間の重みや離婚後の生活設計の困難さが考慮され、高額になることがあります。
・相手の経済力(資力)
相手が高収入や多くの財産を持つ場合は慰謝料の額がそれに応じて増える場合があります。一方で支払い能力がなければ、多額の慰謝料請求自体が実効的でないこともあります。
⑵ 婚姻期間が長い(20年以上)場合の熟年離婚特有の考慮点
熟年離婚の慰謝料は、婚姻期間の長さや年齢的な再就職の難しさが加味されます。50代、60代で離婚する場合、離婚後の再就職や収入確保が非常に難しく、精神的苦痛も大きいことから、単なる不貞の場合でも離婚の際の慰謝料は増額されやすいです。
また、多くは長年の共同生活で築いた住宅ローンや退職金など、大きな財産問題も絡むため、慰謝料の話とあわせて全体的な生活設計を考えることが求められます。
⑶ 過去の裁判例から見る慰謝料の相場
実際の裁判例では、離婚原因や婚姻期間により慰謝料額は大きく異なりますが、
・軽度の不貞行為なら50万円〜100万円程度
・重度の不貞やDVがある場合は100万円〜300万円以上
というのが一般的な相場です。とはいえ、裁判では個別事情に応じて評価が分かれるため、過去の類似ケースの裁判例を参考にすることは有効です。
3.熟年離婚の慰謝料請求で知っておくべき重要点
⑴ 慰謝料請求の「時効」に注意
慰謝料請求には時効があり、原則として離婚の原因となった不法行為を知った時から3年間(2020年4月1日以降は5年間)で請求権が消滅します。この期間を過ぎると裁判などで慰謝料請求が認められなくなるため、原因を知ったら早急に行動する必要があります。
特に熟年離婚は離婚までに時間がかかるケースも多いため、「気づいた時には時効が迫っていた」とならないよう注意しましょう。
⑵ 必要な証拠とその集め方(不貞行為の証拠など)
慰謝料請求では、原因を証明する証拠が不可欠です。不貞行為なら、探偵の報告書、浮気相手との写真やメール、LINEのやりとりなどの記録が重要です。DVの場合は医師の診断書や警察への通報記録、録音や映像も有力な証拠になります。
証拠の収集は、訴訟で有効となる方法を弁護士に相談しながら進めるのがおすすめです。違法な手段での証拠収集は認められないこともあります。
⑶ 相手に資力がない場合の対処法
相手が無職や財産がほとんどない場合、慰謝料が支払われないリスクがあります。そのため、慰謝料請求と並行して財産分与・年金分割など他の経済的請求もあわせて行い、総合的に経済的基盤の確保を目指すことが現実的な対処法です。
4.慰謝料だけじゃない!熟年離婚で決めるべきお金の問題
⑴ 財産分与(退職金・不動産が最大の争点に)
熟年離婚では退職金の取り扱いが大きな争点となります。退職金は結婚生活中の貢献に応じて財産分与の対象となり、その評価方法や分割方法について弁護士のサポートが不可欠です。一般的には、離婚や別居の時点で支給されるはずの額のうち、同居期間(婚姻期間)分が対象となります。
また、マイホームなどの不動産も財産分与の中心であり、売却や共有持分の分割方法、ローン返済方法など慎重な話し合いが必要です。
⑵ 年金分割(離婚後の生活の基盤)
年金分割は、離婚後の老後の生活資金として非常に重要です。公的年金は婚姻期間中に積み立てた部分を夫婦で分割できます。手続きは離婚後2年以内に行う必要があるため、離婚協議の際に忘れずに確認しましょう。
5.熟年離婚の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット
⑴ 適正な慰謝料額を算定・請求できる
慰謝料の計算は複雑であり、感情論だけでなく法的知識と過去の判例をもとに金額を見積もる必要があります。弁護士なら適正な金額算定や証拠集め、交渉が可能で、妥当かつ最大限の慰謝料を請求できます。
⑵ 精神的負担の大きい交渉を任せられる
離婚の話し合いは感情的な対立が激しく、当事者だけでの交渉は精神的に大変です。弁護士が代理人となると、冷静に交渉を進められ、精神的負担を軽減できます。
⑶ 財産分与や年金分割もまとめて解決できる
慰謝料だけでなく、財産分与や年金分割、さらには親権問題などもまとめて対応できるため、一括して適切な解決が図れます。
6.瀬合パートナーズが熟年離婚のご相談で選ばれる理由
⑴ 豊富な解決実績とノウハウ
熟年離婚の案件は争点も多く特有の難しさがありますが、当事務所は豊富な解決実績を有し、多様なケースに対応してきました。難しい案件でも最善の解決策を提案します。
⑵ 神戸・姫路の地域事情にも精通
神戸・姫路の地域特性、生活実態や経済状況を踏まえた適切なアドバイスを提供します。地元ならではの相談対応が可能です。
⑶ 離婚後の生活設計まで見据えたサポート
離婚は終わりではなく、新たな生活の始まりです。財産管理や年金受給、相続など離婚後の人生設計も視野に入れたトータルサポートを行っています。
ご相談をご希望の際は、お気軽にお問い合わせください。熟年離婚の慰謝料請求や財産問題について、神戸・姫路の弁護士が親身にご対応いたします。
















