子どもの苗字の変更を単独で決めることはできるか?【共同親権】
Q. 離婚に際して共同親権にした場合に、離婚後、母が旧姓に戻り、母が子どもを自分と同じ苗字にしたいと考えた場合、母が単独で子の苗字を変更することができるでしょうか。
A. 原則として、母が単独で子の苗字を変更することはできません。
子どもの苗字の変更は単独でできない

共同親権となった場合、子どもの苗字の変更については、原則として片方の親が単独で決めることはできません。
これは「身分行為の代理」にあたり、共同親権者である父母で決定すべき重要事項となるため、父母が協議して合意する必要があるためです。
意見が対立した場合の解決法
子の苗字の変更について、母は変更したいと考えているが、父がこれに反対しているような場合はどうすれば良いのでしょうか。
この場合、家庭裁判所に対して「特定事項に係る親権行使者の指定」を申し立てて解決を図る方法があります。つまり、裁判所によって子の氏の変更について父母のどちらが決定するのかと裁判所に決めてもらいます。
裁判所によって「親権行使者」として指定された親は、その手続きに限って単独で親権を行使し、氏の変更手続きを行うことができます。
裁判所の手続きと判断基準

では、家庭裁判所はどのような基準でこれを判断するのでしょうか。
家庭裁判所は「どちらの苗字が良いか」を直接決めるのではなく「父と母のどちらに決定権を与えるのが子の利益になるか」という観点で判断します。
そして、一般的には、子の氏に関して適切な判断を期待し得るのは同居親であることが多いと思われます。
したがって、母が子と同居しているような場合であれば、母が子の氏の変更について決定する親権者と指定される可能性があると言えます。
このように、母が単独で勝手に子の苗字を変更することはできませんが、母が子と同居して養育していれば、家庭裁判所の手続きを経ることで変更が認められる可能性が高いと思われます。
裁判所の決定までにかかる期間について

では、家庭裁判所がこのような決定をするまでにどのくらいの時間がかかるのでしょうか。
例えば、子の進学に際して子の苗字を変更したいと考えているような場合、入学手続に間に合うように苗字の変更ができるか気になるところかと思います。
家庭裁判所がこの決定をするのにどのくらいの期間がかかるかは、個々の事情によって異なり、いつまでに決定しなければならないといった明確な基準も特にありません。
家庭裁判所が慎重に判断して予想以上の時間がかかる可能性もあります。
このため、家庭裁判所の決定があるまでに相当の時間がかかることを想定し、できるだけ早期に手続きを検討する必要があります。
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