不倫相手に慰謝料請求をしたい
目次
不倫相手に慰謝料請求できる場合がある
配偶者が不貞行為を行った場合、配偶者に対して慰謝料を請求することができますが、配偶者の不貞相手に対しても慰謝料を請求することができる場合があります。
不倫相手への慰謝料請求をするためには、まずは不貞行為があったことの証拠が必要となります。例えば、ラブホテルに2人で出入りしている写真や動画、ホテル代の領収書、2人で旅行している証拠、興信所の調査報告書、LINEやInstagramなどのSNSなどです。配偶者が不貞を認めた念書なども内容によっては証拠になります。
不倫相手に慰謝料請求をするためには、「既婚者であることを知りながら不貞行為を行った」ことが必要です。このため、独身であると嘘をつかれて性的関係を持ったような不貞相手には、慰謝料請求をすることができない場合があります。
慰謝料を請求する方法
不貞相手に慰謝料請求するには、不貞相手の氏名や住所、連絡先等を特定する必要があります。
不貞相手の氏名や住所が特定できない場合は、興信所に依頼して調査してもらったり、携帯電話の番号がわかる場合にはそこから契約者氏名や住所を調査できる場合があります。
また、配偶者が不貞相手の氏名・住所等を知っている場合は、配偶者から聞き出す方法もあります。
不貞相手を特定することができれば、不貞相手に慰謝料を請求します。
請求する方法は、電話、メールなどで直接連絡を取るほか、内容証明郵便を送って請求する方法もあります。
このとき、「〇〇万円を請求します」など慰謝料の具体的な請求額を示して請求するのが良いでしょう。
自分で請求することが難しい場合は、弁護士に依頼して内容証明郵便を送ってもらうこともできます。
不貞相手が慰謝料請求に応じない場合は、訴訟を起こすなどの法的措置を検討します。
慰謝料の金額の相場は
不貞相手に慰謝料を請求する場合、慰謝料の相場は50万円~300万円の範囲内に収まることが多いです。
不貞行為によって夫婦が離婚することになった場合は、慰謝料の金額は100万円以上になることが多いですが、離婚をしない場合は、慰謝料の金額が100万円を下回ることもあります。
慰謝料の金額は、不貞行為の期間や頻度、夫婦の婚姻期間の長さ、夫婦の関係(円満だったか等)、不貞行為の悪質性(不貞行為により妊娠・出産した等)、不貞相手の社会的地位や経済状況などの事情により増減することになります。
不貞相手が支払いを拒む場合
不貞相手に対して慰謝料請求をしたところ、不貞相手が慰謝料の支払いを拒否してくるケースは決して珍しくありません。
不貞行為が支払いを拒む理由としては、①既婚者であると知らなかった、②夫婦の関係がすでに破綻していた等が代表的なものとなります。
①既婚者であると知らなかったと言われた場合は、『既婚者であることを知っていたはずである』ということを証拠で示す必要があります。例えば、不貞相手が職場の同僚であるような場合は、既婚者であることを知っていた可能性が高いと言えます。また、2人のLINEのやり取りの中で、既婚者であることを前提としたやり取りをしていれば、それも証拠となります。
婚姻関係が破綻していたと反論された場合
不貞相手からの反論として多いのが「夫婦の婚姻関係がすでに破綻しており、その後の関係であるから慰謝料を支払う必要はない」というものです。
では「婚姻関係の破綻」とはどのような場合をいうのでしょうか。
例えば「自分は何年も前から離婚したいと思っており、家庭別居状態で夫婦の間に会話は全くなかった」という状況でも、夫婦が同居をして、形の上で協力して生活しているような状態であれば、婚姻関係が破綻していたと認められないこともあります。
「相当以前から夜の夫婦生活がなかった」という状況でも、それだけで直ちに婚姻関係が破綻していたということにはなりません。というのも、婚姻関係は単に性的な関係のみのものではないためです。
婚姻関係の破綻が認められる主な例としては、長期別居状態にある夫婦です。もっとも、長期間別居状態にあっても、直ちに婚姻関係が破綻していたということではなく、別居の期間や、別居に至った事情、別居時間中の夫婦のやり取り、夫婦の一方に夫婦関係をやり直す意思があったか等の事情を考慮して慎重に判断されます。
同居が続いている夫婦の場合は、婚姻関係が破綻していたと認められるケースは少ないかもしれません。
配偶者がすでに慰謝料を支払っている場合
配偶者が不貞行為を認めてすでに慰謝料を支払った場合、不貞相手に更に慰謝料を請求することはできるのでしょうか。
この場合、配偶者と不貞行為が1つの不法行為を行ったと評価され、連帯して慰謝料の支払義務を負うことになるため、配偶者が十分な金額の慰謝料を支払った場合は、不貞相手に慰謝料を請求できない場合があります。
配偶者が慰謝料を支払ったものの、十分な慰謝料額が支払われなかったと言う場合には、不貞相手に対して、更に慰謝料の支払いを請求できる場合があります。
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