財産分与の支払額を400万円減額し,調停離婚が成立した例
依頼者:夫/50代
相手方:妻/40代
事案の経緯
夫がうつ病に罹患し,仕事ができない状態であったところ,妻が離婚調停を申し立てました。
妻の代理人弁護士から受任通知が届いたため,今後の対応についてご依頼をお受けしました。
争点
① 財産分与の基準時
② 婚姻費用の分担義務の有無及び金額
③ 公務員である妻の将来の退職金に対する財産分与の可否
解決のポイント
自宅マンションが夫婦共有名義となっていたところ,当初,妻からは,依頼者が妻に2000万円を支払うことを条件に,妻が依頼者に対してマンションの持分を譲渡する旨の財産分与の提示がありました。
弁護士は,休職中である依頼者から妻に対する婚姻費用の支払いを求め,財産分与としては,妻の公務員特有の積立金を発見し,妻の将来の退職金も財産分与の対象とすることを求めました。また,財産分与の基準時も争点としました。
その結果,最終的には,依頼者から妻に対する支払金額を1600万円まで減額させた上で,調停離婚が成立しました。
年金分割も,婚姻期間中の標準給与総額については妻の方が多く見込まれましたので,共済年金部分を0.5の割合で分割する旨の請求をして,同内容の合意をしました。