離婚届を提出する前に検討すること
「離婚届さえ提出すれば大丈夫」と離婚届を早々に出し,後で紛争となるケースはよくあります。そうならないためにも,決めるべきことはしっかり決めておくことが重要です。
以下では,離婚届を提出する前に検討すべき事について解説いたします。
1 話し合うべき事項
離婚前に話しあっておくべき事項は,一般的には次が挙げられます。
- ・親権
- ・養育費
- ・面会交流
- ・財産分与
- ・慰謝料
- ・年金分割
なお,未成年の子どもがいる夫婦は,離婚後の親権者が誰かを決めないと離婚することができないのでご注意ください。
これらの事項は,離婚後に決めることもできますが,紛争が長期化する傾向があるのでできるだけ離婚届を出す前に話し合っておいた方がいいでしょう。少なくとも,相手方の財産状況については離婚前に把握しておくことをおすすめいたします。
2 離婚協議書を作成しましょう
話し合いの内容は必ず「離婚協議書」として,書面に残しましょう。
口約束だけだとあとで言った言わなかったの争いになり,合意通りの内容の履行を求めることが難しくなります。
そして,離婚合意書はできれば「公正証書」として残しておいた方が好ましいです。
公正証書とは,法務大臣が任命した「公証人」が作成する公文書のことです。
公正証書の内容に「強制執行認諾約款」を付せば,養育費等が支払われない場合に「強制執行」をかけることができます。
3 最後に
以上が離婚前に確認しておいた方が良い事項です。
なお,離婚協議書の内容については,法的な知識が無い方が作ると漏れが生じる可能性があるので,一度離婚に精通した弁護士に相談することをおすすめいたします。離婚後の人生の方が長い方が多いと思いますので,上記について慎重に検討してみてください。