国際離婚における親権・養育費について考えるべきポイント

1.はじめに

離婚の際,夫婦間に未成年の子がいるときは,その親権や養育費を巡って争いになることが多いです。国際離婚の場合も例外ではなく,国籍や住所地によっても適用される法律が変わりますので,より慎重な調整が必要になります。

 

2.親権について

国際離婚では,まずどの国の法律が適用されるのかを確認する必要があります。子の親権者を決めるにあたっては,子の本国法が父母の一方の本国法と同一であれば子の本国法が適用されます。つまり,子と父または母が同じ国籍であれば,子の国籍の法律が適用されるということです。

例えば,母が日本国籍で,子も日本国籍であれば,日本の法律によって親権者を決めることになります。子が相手方と同一の国籍であれば,相手方の国の法律で親権者を決めます。

 

3.日本法が適用される場合

国際結婚して日本で生活されている場合,子も日本国籍となっているケースが多いと思います。この場合,父母のどちらかが日本国籍であれば,日本法が適用されます。

日本の法律では,離婚後は単独親権となっているため,親権は父母のどちらか一方にしか認められません。そして,基本的に夫婦が協議の上,離婚後の親権者や監護権者を決定することになっています。当事者間の協議で決められない場合には,調停や訴訟で親権者を決めます。

日本法では,子の親権者は,これまでの監護実績,監護能力・環境,子の年齢・希望等さまざまな事情を総合考慮し,決定されます。

 

4.ハーグ条約について

ハーグ条約とは,国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の通称です。ハーグ条約は,名前のとおり,16歳未満の子が,子の常居所地国から国境を越えて他国に移動又は留置され,その移動・留置が子の常居所地の方によれば監護権の侵害に当たる場合に不法であるとして,子を常居所地に迅速に返還すべきこと等を定めています。

日本も2014年4月1日に締約国となりましたので,離婚の際,日本以外の加盟国から日本へ子を連れて別居を開始した場合,ハーグ条約に基づいて子の返還を求められることがありますので,注意が必要です。

 

5.養育費について

国際離婚の際にも,養育費を決める必要があります。養育費を定める際に適用される法律は,扶養権利者(子)の常居住国の法律なので,子が日本で生活しているのであれば日本法が適用されます。

相手方が離婚後日本を出てしまうという場合には,事前に調停調書や公正証書で養育費の取り決めをしておくべきです。ただし,取り決めをしただけでは,支払いが滞った際に実際にどこにどのような手続で請求すれば良いのか分からず,また,コストも大きくなるため,請求を断念するというケースも珍しくありません。

したがって,離婚の際に,不払いのリスクをできる限り少なくするような取り決めが必要になるのです。

 

6.弁護士にご相談を

国際離婚をお考えになった場合,当事者間の話合いができない場合はもちろんのこと,話合いができる場合であっても,進め方がさっぱり分からないということもあるかと思います。リスクの少ない条件にするためにも,弁護士に一度ご相談されることをおすすめします。

 

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