65歳以上の離婚について
目次
65歳以上の離婚の注意点
65歳以上になっても離婚したいと考える方は一定数いらっしゃいます。
離婚を希望するのは多くが妻側で、長年、夫の言動に耐えて我慢をしてきたが、我慢の限界だと感じらているようです。
65歳以上で離婚を進める場合は、以下のような点に留意しておく必要があります。
✅ 協議離婚に応じてもらえない可能性がある
✅ 離婚後の住居の確保が難しくなる可能性がある
✅ 離婚後の経済状況が厳しくなる可能性がある
✅ 離婚後は配偶者としての相続権がなくなる
協議離婚に応じてもらえない可能性がある

65歳以上で離婚を希望する方の多くが妻側ではないかと思われます。
妻側が離婚を希望する理由としては、長年にわたる夫のモラハラ的な言動、古い価値観や男尊女卑的なふるまい、出産・育児・家事などの関わり方、家政婦のような扱いなどへの不満などであることも多いです。
夫側は自分のこれまでの言動に問題があると思っていないケースも多く、妻が離婚を切り出したときも『寝耳に水』状態となります。
また、夫側は自分に非があると思っていないので、妻が離婚を切り出しても「絶対に離婚には応じない」という態度を取ることも珍しくありません。
このため、協議離婚に応じてもらえないことも少なくなく、調停や裁判による離婚になる場合があります。
夫側が協議離婚に応じない場合は、夫の浮気や暴力、長期間の別居といった法律上の離婚原因を主張して、離婚を求めていく必要があります。
離婚後の住居の確保が難しくなる可能性がある。

離婚を希望する場合、まずは自宅を出て別居することを検討することになります。
ですが、高齢になると、収入が低くなるなどの理由で賃貸住宅を借りることが難しくなるなど、離婚後の住居を確保することが難しい場合があります。
このため、離婚にあたっては、今後の住居を確保しておくことが必要となります。
例えば、子どもの家に同居させてもらう、公営住宅を検討しておく、高齢者でも借りられる住居を探しておく、実家など居住できる家を確保しておく等の対応が必要となってきます。
離婚後の経済状況が厳しくなる可能性がある

65歳以上になると、年金収入で生活していたり、退職金や預貯金を少しずつ切り崩して生活をしている世帯も少なくありません。
このため、65歳以上で離婚する場合は、そもそも夫婦の財産が少なくなっている場合があり、思ったよりも財産分与を受けられない可能性があります。
また、離婚後に年金分割の手続をしますが、年金分割後の年金が思ったほど多くなかったということもあるようです。
このため、離婚後に受けられる財産分与の金額や、年金分割後の受給できる年金額などを確認して、離婚後の生活が成り立つのかを十分に検討しておく必要があります。
離婚後は配偶者としての相続権がなくなる

65歳以上になって離婚した後に、元夫・元妻が死亡しても、離婚により配偶者としての相続権がなくなってしまうため、元夫・元妻の財産について相続することができません。
子どもがいる場合は、子どもが遺産を相続することになりますが、自分自身が配偶者として相続する訳ではないことに注意が必要です。
65歳以上で離婚をする場合はよく検討しましょう
65歳以上で離婚をする場合は、上記のような注意点があるため、離婚することを諦めて別居だけを続けるというケースもあります。
別居をすれば、子どもも独立しているため、配偶者とほとんど関わりなく生活することができ、事実上離婚したのと同じような状況とも言えます。
しかし、中には、配偶者への積年の気持ちなどから、何としても籍を抜きたいと強く希望される方もいらっしゃいます。
その場合は、お子様や周囲の方に協力を求めたり、弁護士に相談するなどしていただくことをお勧めします。
65歳以上で離婚を検討されている方は、是非一度、法律事務所瀬合パートナーズにご相談ください。
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