親権と監護権を分けることはできますか?
質問
妻と離婚を考えていますが、妻は、2歳の子どもについて、親権を主張しています。私は仕事が忙しく、妻が子どもを育てることはやむを得ませんが、子どもには私と同じ姓を名乗って欲しいので、親権までは譲りたくありません。
妻が子どもの監護をし、私が親権をもつといったことはできるのでしょうか?
回答
監護権をもつ者の権限の範囲は、身上監護する権利、教育権、居所指定権、職業許可権、懲戒権等です。これに対して、監護権なき親権は、財産を管理し、その財産に関する法律行為について子を代表する権利や、15歳未満の子の養子縁組や氏の変更等の身分行為についての法的代理権、監護者に対する助言、指導、子への面接、経済的援助などが考えられます。
離婚の際に未成年者の子の親権者と監護者を分ける手続は、父母間の協議ですることができ、これが不可能なときは家庭裁判所が定めることになります(民法766条1項)。
したがいまして、親権と監護権を別々の親に分離することは不可能ではありません。
しかしながら、親権と監護権を分離することで、子に心理的な悪影響を与えることが懸念されたり、各種の手当の受給について現実的な不都合をもたらすことが指摘されている等、子の福祉の観点から分離させることが相当ではない場合もあります。
したがいまして、親権と監護権を分離することはあまりお勧めできません。分離させるとしましても、積極的な必要性が認められる場合等に限定されるべきでしょう。
弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズについてのご質問
Q.法律相談をした後、実際に依頼をしなくても良いのですか。
はい。ご相談だけでももちろん結構です。
Q.離婚以外の法律相談もできますか。
はい。ただし、取扱いがない分野もございますので、事前に電話などでご確認いただけると安心です。