行方不明の夫に対する離婚訴訟が認められ,親権と年金分割を取得した例
依頼者:妻/40代
相手方:夫/40代
事案の経緯
行方不明の夫と離婚したいとのご依頼をお受けしました。
争点
行方不明の夫と離婚をするにはどうすれば良いか。
解決のポイント
離婚については,調停前置主義といって,法律上,離婚訴訟の前に調停手続きを取らなければならないと定められています。
しかし,調停による離婚をするためには,当事者双方の合意がなければいけませんので,夫が行方不明であった本件事案では調停による解決は不可能でした。
そこで,裁判所に事情を説明した上で,特別に調停を経ず離婚訴訟を提起することとしました。
裁判所から夫に対して訴状を送付する方法は,公示送達という方法を採ることにしました。
複数人いる子どものうち,年長の2人は自分の意見を言える年齢になっていたので,子どもの親権を妻が取得できるよう,弁護士が年長の子供2人の意見を聞き取り,書面にまとめて裁判所に提出しました。
「悪意の遺棄」及び「婚姻を継続しがたい重大な事由」の離婚事由があるとして裁判離婚が認められ,妻が子供全員の親権者となり,年金分割も認められました。