キャリアウーマンの方の離婚相談
キャリアウーマンの方の離婚
キャリアウーマンの方は、夫と同等かそれ以上に収入がある方も少なくありません。
このため、キャリアウーマンの方の離婚は、離婚までの生活費を妻が夫に支払わなければならなかったり、養育費をあまり貰えなかったり、場合によっては財産分与で妻が夫に支払わなければならないというような場合があります。
また離婚に伴う年金分割もしない方が良いというケースもあります。
離婚までの生活費について
別居している間、離婚が成立するまでは婚姻関係があるため、夫側の収入が低い場合は、妻から夫に生活費を支払わなければならない場合があります。
婚姻費用の金額については、実務で利用されている以下の算定表によって算出する金額が目安となります。
平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について | 裁判所
ただし、妻側の収入の方が高い場合であっても、夫が生活費の支払いを求めてこないこともありますので、その場合はこちらから積極的に支払いを行う必要まではないでしょう。
財産分与について
夫と妻の収入が同等か、妻の方の収入が多いような場合は、妻側が管理している財産の方が多い場合があります。
妻が管理している財産の方が多い場合は、財産分与にあたって、妻側から夫側に支払いをしなければならないことがあります。
また、婚姻生活において夫婦の財布が別々となっており、相手がどんな財産をいくらくらい持っているかを知らない場合もあります。このような場合で、妻側の方の管理する財産の方が多いと予想される場合は、財産分与なしという条件で離婚をすることも検討します。
養育費について
離婚後、妻側が子どもの親権者となって子どもを養育する場合、相手から養育費の支払いを受けることになります。
養育費も、生活費と同じく、夫婦双方の収入によって支払われるべき金額がある程度決まります。このため、妻側の収入の方が多く、夫側にあまり収入がない場合などは、養育費の金額が低くなる可能性があります。
平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について | 裁判所
年金分割について
キャリアウーマンの方は、自分の勤務先の会社の厚生年金にずっと加入してきたという方も少なくありません。
そして、妻側の年収の方が高い場合は、年金分割をすると自分が受給できる年金額が下がってしまって不利になる場合もあります。
夫側から妻側に年金分割を求めるというケースは少ないことから、妻側の収入が高いまたは夫婦が同等の収入であるような場合は、あえて年金分割を行わないということも一つの選択肢になります。
年金分割後の年金額については、お近くの年金事務所で相談することもできます。
離婚後の生活を想像しましょう
キャリアウーマンの方は、労働時間も長く、日々の生活に時間的余裕がない方も多いかもしれません。
離婚後は、家事や育児について夫の協力が得られなくなることから、離婚後は時間的にますます余裕がなくなる場合もあるでしょう。
一人で頑張り過ぎて健康を害さないように、祖父母の協力を得たり、家事を外注したり、ベビーシッターなどを活用するなどして、無理なく日々を過ごすよう検討されるのがよいかもしれません。